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本記事は、更年期に太りやすくなる医学的な原因から、食事・運動・医療的アプローチまで、体重管理のポイントを幅広く扱います。
「食べる量は変えていないのに体重が増える」「お腹まわりがぽっこりしてきた」・・・40代後半〜50代の女性から、こうしたお悩みをよく伺います。
これは意志の問題でも努力不足でもありません。更年期に起こるホルモン変化が、体の代謝・脂肪のつき方そのものを変えてしまうからです。
産婦人科専門医として、正しい原因理解と具体的な対策をお伝えします。
高田馬場駅すぐの産科・婦人科 あゆみレディースクリニック高田馬場
体の変化に戸惑っている方へ
更年期には、ホルモンの変化にともなって体型や代謝が変わることがあります。ご自身を責めずに、体の状態を確認するところから始めませんか。

更年期に太りやすくなるのはなぜ?主な原因は?
更年期に太りやすくなる最大の原因は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な低下です。エストロゲンは脂肪代謝・食欲調節・内臓脂肪の抑制など、体重管理に深く関わっています。
閉経前後はエストロゲンの分泌量が急激に減少します。これにより、体の代謝・食欲・脂肪のつき方が連鎖的に変化し、以前と同じ生活を続けていても太りやすくなります。
① エストロゲン低下による脂肪代謝の変化
エストロゲンには、脂肪を分解・燃焼しやすくする働きがあります。更年期にエストロゲンが低下すると、この働きが弱まり、体脂肪が増えやすくなります。
また、エストロゲンはインスリン感受性(血糖コントロール)にも関与しており、低下するとインスリン抵抗性が高まり、食後の血糖値が乱高下しやすくなります。その結果、「食べてもすぐにお腹が空く」という悪循環が生まれます。
さらに、エストロゲンにはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪の増加を抑える働きもあります。エストロゲンが減少すると脂質代謝が低下し、内臓脂肪が蓄積しやすくなります。
② 基礎代謝と筋肉量の低下
基礎代謝とは、呼吸・体温維持など生命活動に必要な最低限のエネルギー消費のことです。1日の総エネルギー消費量のうち、基礎代謝が占める割合は約60%とされています。
加齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝も低下します。基礎代謝量全体の約20%を筋肉が占めているため、筋肉が減ると消費カロリーが自動的に減ります。
40代・50代では20代と比べて筋肉量が減少しやすく、運動習慣がなければ減少スピードはさらに加速します。「若い頃は何を食べても太らなかった」という方でも、同じ生活を続けていると太りやすくなるのはこのためです。
③ 内臓脂肪がつきやすくなる体質変化
エストロゲンには内臓脂肪の蓄積を防ぐ働きがあります。閉経前の女性は皮下脂肪がつきやすい傾向がありますが、エストロゲンが減少すると内臓脂肪がつきやすくなります。
内臓脂肪はお腹まわりに蓄積されやすく、「ぽっこりお腹」の原因になります。また、内臓脂肪が増えると高血圧・糖尿病・脂質異常症のリスクが高まり、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの重大疾患につながる可能性があります。
④ 自律神経の乱れと食欲・睡眠への影響
更年期にはエストロゲン低下により自律神経のバランスが乱れやすくなります。睡眠の質が低下すると、食欲を調整するホルモンのバランスが崩れ、甘いものや炭水化物への欲求が強くなることがわかっています。
また、更年期特有のほてり・だるさ・気力の低下から活動量が減り、消費カロリーがさらに低下します。「運動を始めたのに体重が変わらない」という状態になりやすいのも、この時期の筋肉量低下と活動量減少が重なるためです。
更年期太りの体型の特徴は?
更年期太りの特徴は、お腹まわり・腰まわり・二の腕・背中など「上半身」に脂肪がつきやすくなることです。若い頃は下半身につきやすかった体脂肪が、更年期以降は上半身につきやすくなります。
エストロゲンの減少により体脂肪の分布が変化するためで、ウエスト周りに脂肪がつきやすくなる「アップル型の体型」になりやすいのが更年期太りの特徴です。
- 体重増加:食事量が変わらなくても体重が増える
- 体型変化:お腹・腰まわり・二の腕・背中に脂肪がつく
- 体脂肪率の上昇:体重はそれほど変わらなくても体脂肪率が上がる
- むくみ:手足がむくみやすくなる
- 筋肉量の減少:体重が増える一方で筋肉が減る(体組成の変化)
体重の数値だけでなく、ウエストサイズや体脂肪率も定期的に測定することで、体の変化をより正確に把握できます。

更年期の体重管理に効果的な食事のポイントは?
更年期の食事管理で最も重要なのは、極端なカロリー制限を避けながらタンパク質・食物繊維・カルシウムを意識的に摂ることです。
この時期に食事量を極端に減らすと、ただでさえ減りやすくなっている筋肉がさらに失われ、基礎代謝が下がる悪循環に陥ります。「食べない」ダイエットは更年期には逆効果です。
積極的に摂りたい栄養素
- タンパク質:筋肉量を維持するために必須。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品をバランスよく摂る
- 食物繊維:血糖値の急上昇を抑え、腸内環境を整える。野菜・きのこ・海藻・豆類を積極的に
- カルシウム・ビタミンD:更年期以降は骨粗鬆症リスクが高まるため、乳製品・小魚・緑黄色野菜で補う
- 大豆イソフラボン(エクオール):女性ホルモンに似た働きをもつ。豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品から摂取できる
控えたい食習慣
- 精製糖質・甘いものの過剰摂取:血糖値の乱高下を招き、内臓脂肪増加につながる
- 夜遅い時間の食事:消費されにくく脂肪として蓄積されやすい
- アルコールの過剰摂取:カロリーが高く、肝臓への負担も増える
- 早食い・ながら食い:満腹感を感じにくく食べすぎにつながる
食事の楽しさを保ちながら、「何を食べないか」より「何を食べるか」を意識することが、長続きするポイントです。
更年期の体重管理に効果的な運動は何か?
更年期の体重管理には、有酸素運動と筋力トレーニングの両方を組み合わせることが最も効果的です。有酸素運動で脂肪を燃焼しながら、筋力トレーニングで筋肉量を維持・増加させます。
有酸素運動のポイント
ウォーキング・水泳・サイクリング・ヨガなどが代表的です。週3〜5回、1回30分程度を目安に、無理のない強度から始めましょう。
特にウォーキングは関節への負担が少なく、継続しやすい運動です。「少し息が上がる程度」の速歩きが効果的です。一駅遠くまで歩いてから電車やバスに乗る、など日常にちょっとした運動を取り入れましょう。
筋力トレーニングのポイント
スクワット・腹筋・腕立て伏せなど、自宅でできる筋力トレーニングから始めるのがおすすめです。週2〜3回を目安に、大きな筋肉(太もも・お尻・背中)を中心に鍛えましょう。
筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、「じっとしていても消費カロリーが増える」体になります。更年期以降の体重管理において、筋力トレーニングは特に重要です。
運動を続けるためのコツ
- 最初から高い目標を設定せず、「毎日10分のウォーキング」など小さく始める
- 友人や家族と一緒に行うことでモチベーションを維持する
- 更年期症状(ほてり・だるさ)がひどい日は無理せず休む
- 運動後のストレッチで疲労回復を促す
更年期以降に増える健康リスクも確認できます
女性ホルモンの低下により、高血圧・脂質異常症・骨密度の低下などが表れやすくなります。当院では超音波による骨密度のスクリーニングも行っています。

婦人科での医療的アプローチ(HRT・漢方・エクオール)で体重管理はできるか?
更年期の体重増加は、食事・運動だけでなく、ホルモン補充療法(HRT)・漢方薬・エクオールなどの医療的アプローチを組み合わせることでより効果的に管理できます。
体の変化の根本にあるのはエストロゲンの低下です。自己努力だけでカバーしきれない部分を、医療でサポートすることが大切です。
ホルモン補充療法(HRT)
HRTは、減少した女性ホルモンを少量補う治療法です。ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗などの血管運動症状に特に有効で、更年期症状全般の改善が期待できます。
HRTによってエストロゲンを補うことで、脂質代謝の改善・内臓脂肪の増加抑制・インスリン感受性の改善にも寄与し、体重管理をサポートします。将来の高コレステロール血症・動脈硬化・骨粗鬆症・認知症の予防にもつながります。
塗り薬・貼り薬・飲み薬があり、月経の状況や子宮の有無に応じて、その方に合った方法を選びます。ただし、副作用やリスクもあるため、体重増加のためだけのホルモン補充療法はお勧めできません。
漢方薬による治療
漢方薬は体のバランスを整えて更年期症状を緩和する治療法です。更年期女性によく用いられる「婦人科三大処方」として、以下の3つが知られています。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え・むくみ・貧血傾向のある方に
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラ・不眠・ほてりのある方に
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせ・肩こり・血行不良のある方に
上記以外にも更年期を適応にもつ漢方薬は複数あり、症状や体質に合わせて選ぶことが重要です。漢方は生薬の組み合わせでできており、漢方の服用が増えすぎると合併症のリスクがあがるものもあります。漢方だから安心、と安易に3種類以上の漢方を継続的に内服することはお勧めできません。自己判断での服用は避け、医師に相談のうえで処方してもらいましょう。
エクオール・サプリメントの活用
エクオールは、大豆イソフラボンから腸内細菌によって作られる成分で、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをもちます。更年期症状の緩和が期待されます。
ただし、エクオールを体内で作れるかどうかは個人差があります(日本人女性の約50%が産生できるとされています)。産生できない方はサプリメントで補うことも選択肢の一つです。
プラセンタ治療
45〜59歳の更年期障害のある女性にはプラセンタ治療(メルスモン皮下注射)が保険適用となります。自律神経を整え、更年期症状全般の緩和に効果が期待できます。
栄養解析
65項目の採血で不足する栄養素を詳しく解析する「栄養解析」を行うことで、個人に合ったサプリメント・食事改善のアドバイスが受けられます。体重管理の根拠となる栄養状態を把握するうえで有効です。
更年期の体重増加を放置するとどんなリスクがあるか?
更年期の体重増加・内臓脂肪の蓄積を放置すると、メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクが大幅に高まります。早めの対策が将来の健康寿命を守ることにつながります。
- 高血圧:内臓脂肪増加により血圧が上昇しやすくなる
- 糖尿病:インスリン抵抗性の高まりにより血糖コントロールが悪化する
- 脂質異常症:LDLコレステロール・中性脂肪が増加しやすくなる
- 動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞:上記の生活習慣病が重なることで血管へのダメージが蓄積する
- 骨粗鬆症:エストロゲン低下により骨密度が低下する。痩せすぎも骨粗鬆症・フレイルのリスクになる
また、体重増加による外見の変化が自己評価の低下・ストレスの増大につながり、更年期のメンタル不調をさらに悪化させることもあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と諦めず、婦人科に相談することで医療的なアプローチを受けることができます。
更年期の体重管理、いつ婦人科に相談すべきか?
食事・運動の改善を3ヶ月以上続けても体重が減らない、または更年期症状(ほてり・不眠・イライラ等)が日常生活に支障をきたしている場合は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
また、急激な体重減少が続く場合も注意が必要です。消化管疾患・うつ病・甲状腺機能異常・糖尿病などの病気が隠れている可能性があるため、医療機関での検査が必要です。
婦人科では、更年期症状の診断・治療に加え、子宮頸がん・子宮体がん検査・骨密度検査など、この時期に必要なスクリーニングも同時に受けることができます。
あゆみレディースクリニック高田馬場では、JR・西武新宿線「高田馬場駅」早稲田口から徒歩1分という好立地で、更年期障害の診療を行っています。医師は全員産婦人科専門医で、HRT・漢方・エクオール・プラセンタ治療・栄養解析など、お一人おひとりに合った治療法をご提案します。初診からWEB予約・LINE予約が利用でき、予約制・WEB問診などを導入し待ち時間を少なくできるよう努めています。お気軽にご相談ください。
電話番号:03-6265-9707
WEB予約・LINE予約も受付中
よくある質問
更年期に太りやすくなるのはいつ頃からですか?
40代後半〜50代前半が最も太りやすくなる時期です。日本人女性の平均閉経年齢は50〜52歳で、閉経前後の数年間にエストロゲンの低下が急激に進み、体重・体型の変化が現れやすくなります。
更年期太りはいつまで続きますか?
更年期に起こる体重増加・むくみは、更年期が終わるまで続くことが一般的で、40代後半〜60代初めにかけて起こりやすいとされています。ただし、適切な対策を取ることで改善できます。
更年期の体重増加は食事制限だけで解消できますか?
食事制限だけでは不十分で、逆効果になることもあります。極端なカロリー制限は筋肉量をさらに減らし、基礎代謝が下がる悪循環を招きます。食事改善・運動・必要に応じた医療的アプローチの組み合わせが重要です。
HRT(ホルモン補充療法)は体重増加に効果がありますか?
HRTはエストロゲンを補うことで脂質代謝の改善・内臓脂肪の増加抑制に寄与し、体重管理をサポートします。ほてり・のぼせなど更年期症状の改善にも有効で、婦人科医と相談のうえで検討できます。
更年期太りに効く漢方薬はありますか?
当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸が「婦人科三大処方」として知られています。体質や症状に合わせて選ぶことが重要で、自己判断ではなく医師の処方を受けることをおすすめします。
エクオールは更年期太りに効果がありますか?
エクオールは女性ホルモンに似た働きをもち、更年期症状の緩和が期待されます。ただし体内で産生できるかどうかは個人差があり、産生できない方はサプリメントで補うことも選択肢です。
更年期に痩せてしまう場合はどうすればよいですか?
更年期の体重減少は、自律神経の乱れによる食欲不振・消化吸収機能の低下が原因のことがあります。急激な体重減少が続く場合は、甲状腺疾患・消化管疾患・うつ病などが隠れている可能性があるため、医療機関を受診してください。
更年期の体重管理で婦人科に相談するタイミングはいつですか?
食事・運動を3ヶ月以上続けても改善しない場合や、更年期症状が日常生活に支障をきたしている場合は早めの受診をおすすめします。婦人科ではHRT・漢方・栄養解析など医療的アプローチが受けられます。
更年期太りを防ぐために日常生活でできることは何ですか?
タンパク質・食物繊維・カルシウムを意識した食事、週3〜5回の有酸素運動と週2〜3回の筋力トレーニング、十分な睡眠とストレス管理が基本です。大豆製品(エクオール)の積極的な摂取も有効です。
高田馬場で更年期の体重管理・更年期障害の相談ができる婦人科はありますか?
あゆみレディースクリニック高田馬場(高田馬場駅早稲田口から徒歩1分)では、産婦人科専門医によるHRT・漢方・栄養解析など更年期の総合的な診療を行っています。WEB予約・LINE予約が利用可能です(電話:03-6265-9707)。
結論
更年期の体重増加は、エストロゲン低下・基礎代謝の低下・内臓脂肪の増加が重なって起こる医学的な変化です。意志の問題ではありません。まずはタンパク質を意識した食事と有酸素運動+筋力トレーニングを習慣化しましょう。それでも改善しない場合は、HRT・漢方・エクオールなど医療的アプローチを組み合わせることが効果的です。放置すると生活習慣病リスクが高まるため、早めに婦人科へご相談ください。
あゆみレディースクリニック高田馬場
更年期の体調の変化についてのご相談を承っています。女性医師が、体の状態を確認しながら無理のない過ごし方を一緒に考えます。高田馬場駅すぐ。
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-17-6 ゆう文ビル8F/休診日:日曜・祝日/予約制
著者情報

院長 佐藤 歩美
経歴
横浜市立大学医学部 卒業
NTT東日本関東病院 勤務
総合母子保健センター 愛育病院 勤務
ベビースマイルレディースクリニック有明 副院長などを経て 現在に至る
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(母体・胎児)専門医
女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
日本性感染症学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本医師会 認定産業医




