
目次

「妊娠中に子宮がん検診って受けても大丈夫?」「赤ちゃんに影響はないの?」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、妊娠初期の妊婦健診では、子宮頸がん検診を受ける機会が設けられています。妊娠中でも、医師の判断のもとで子宮頸部の細胞診を受けることができます。子宮頸部の細胞を採取する細胞診は、子宮内に直接器具を入れる検査ではなく、妊娠中でも医師の判断のもとで実施されます。妊娠中の子宮頸がん検査は必要な方ははかかりつけの産科で行うことが一般的であり、職場健診や自治体検診では対象外となることが多いです。むしろ、妊娠をきっかけに定期的な検診を受けていなかった方が検査を受ける大切な機会となります。
妊娠中は子宮頸部の粘膜が変化しやすく、見た目が気になる所見が出やすい時期でもあります。そのため、「検診で引っかかった」と聞いても過度に心配する必要はありませんが、適切なフォローを受けることが大切です。この記事では、妊婦健診で行う子宮がん検診の目的・タイミング・注意点を、産婦人科専門医がわかりやすく解説します。
- ✅ 妊娠中に子宮がん検診を受ける理由と目的
- ✅ 妊婦健診で行う検査のタイミングと内容
- ✅ 検診結果が要注意だったときの対応と注意点
妊娠中に「子宮がん検診、受けたほうがいいの?」と迷う方へ
「今は妊娠中だから健康診断はあとでいいか」と後回しにしていませんか?妊娠期間中であっても健康診断は受診可能であり、妊娠中であることを伝えた上で受診しましょう。健康診断の検査項目の中でレントゲン検査と子宮頸がん検査は妊娠中を理由に対象外となることが一般的です。子宮頸がん検査は妊娠初期に妊婦健診の中で行います。
子宮頸がんは、20代〜40代の比較的若い世代に多く発症するがんのひとつです。子宮頸がんは比較的若い世代にもみられるため、妊娠初期の検査で始めて発見されるケースも珍しくありません。妊娠初期の子宮頸がん検査は非常に重要な検査の一つであり必ず受けるようにしましょう。
また、子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因とされており、感染から進行するまでには数年〜十数年かかることがほとんどです。妊娠初期のスクリーニング検査で早期に発見できれば、妊娠を継続しながら適切な対応を取ることが可能なケースもあります。
「まだ若いから大丈夫」「妊娠中に検査して大丈夫かな」と感じている方も、ぜひこの記事で正しい知識を確認してください。
よくある誤解:「妊娠中は検査できない」は間違いです
「妊娠中は子宮に触れる検査はしてはいけない」と思い込んでいる方が一定数いらっしゃいます。しかし、子宮頸がんの細胞診(スメア検査)は妊娠中でも安全に実施できる検査です。子宮の出口(子宮頸部)の表面をやさしくこすって細胞を採取する方法で、子宮の中(赤ちゃんがいる空間)には直接触れません。
もちろん、担当の産婦人科医が妊娠週数や状態を確認したうえで実施しますので、心配なことがあれば診察時に遠慮なく質問してみましょう。
妊娠前に検診を受けていなかった方は特に注意を
自治体や職場健診での子宮頸がん検診は2年に1回の受診が推奨されていますが、実際には受けていない方も多くいます。特に20〜30代は「まだ若いから」と後回しにしがちです。妊娠をきっかけに初めて検診を受ける方も多く、妊婦健診は大切なスクリーニングの機会です。妊娠前の最後の検診がいつだったか、思い返してみてください。

妊婦健診で行う子宮がん検診の内容と仕組み
妊婦健診で行う子宮がん検診は、主に子宮頸がんを対象としたスクリーニング検査です。ここでは、検査の内容・仕組みをわかりやすく整理します。
専用の細い綿棒やブラシを使って、子宮頸部の表面をこすり、細胞を採取します。採取した細胞を顕微鏡で観察し、異常な細胞がないかを確認します。検査にかかる時間はほんの数十秒です。出血が少量みられることがありますが、多くの場合は問題ありません。
子宮頸がんの主な原因とされるHPVウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。細胞診と同時に行うこともあります。HPVに感染していても、多くの場合は自然に排除されますが、高リスク型ウイルスが持続感染すると、長い年月をかけてがんに進行する可能性があるため、定期的なフォローが重要です。
子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類があります。妊婦健診のスクリーニングで主に対象となるのは子宮頸がんです。子宮体がんは比較的中高年以降に多く、妊娠中は頻度が低いとされています。ただし、気になる症状(不正出血など)がある場合は担当医に相談しましょう。
妊娠中の子宮頸部は変化しやすい
妊娠するとホルモンの影響で子宮頸部の粘膜が外側に広がり、やや赤みを帯びた状態(子宮頸部びらん様変化)になることがあります。これは妊娠による生理的な変化であり、がんではありません。しかし、見た目が通常と異なるため、経験の少ない医師には判断が難しいこともあります。
また、妊娠中は子宮頸部の細胞や血管などに生理的な変化が起こるため、検査結果の解釈に注意が必要になることがあります。結果が「要精密検査」と出た場合でも、落ち着いて専門医の診察を受けることが大切です。
検査結果の分類と見方
細胞診の結果は、一般的にベセスダ分類(NILM・ASC-US・LSIL・HSIL・AGCなど)で報告されます。NILMは異常なし、それ以外の分類が出た場合は精密検査(コルポスコピーや組織診)が必要になることがあります。妊娠中でもコルポスコピー検査は受けることができますが、組織を切り取る生検(バイオプシー)は出血のリスクがあるため、妊娠中は状況に応じて慎重に判断されます。
妊婦健診で子宮がん検診を受けるタイミング
妊婦健診における子宮がん検診は、一般的に妊娠初期(妊娠8〜12週頃)に行われることが多いです。自治体によって補助内容は異なりますが、多くの地域で妊婦健診の一環として検査費用の助成が受けられます。
初診時または妊娠初期に実施するのが一般的
産婦人科を初めて受診した際(妊娠確認時)や、妊婦健診が本格的に始まる妊娠8週前後に検査を行うクリニックが多いです。初診のタイミングで行う場合は、医師が子宮の状態を確認しながら安全に進めます。
妊娠前の最後の子宮がん検診から1年以上が経過している場合は特に積極的な受診が望ましいです。受診歴がわからない場合や、しばらく受けていない場合は、担当医に相談してみましょう。
妊娠中期・後期はどうなる?
妊娠初期に細胞診を実施した場合、その後の妊婦健診では特別な事情がない限り再度の子宮頸がん検診は行わないことが一般的です。ただし、妊娠初期の検診で要精密検査と判定された場合は、妊娠中に引き続きフォローアップが行われます。
妊娠中は週数が進むにつれて子宮が大きくなるため、後期になると子宮頸部の観察が難しくなることもあります。初期に検診を受けておくことが重要です。
産後の検診も忘れずに
妊娠中に検診を受けた場合も、その後は年齢や検査結果、自治体の検診制度などに応じて定期的に検診を受けることが大切です。妊娠・出産を経て体の状態が変わっているため、産後の定期検診も継続して受けることが大切です。次の子宮頸がん検診を受けるタイミングが分からない場合は1ヶ月健診の際などに相談してみるといいでしょう。
⚠ 注意事項
妊娠中の子宮がん検診は、担当の産婦人科医が妊娠週数・状態・出血リスクなどを総合的に判断したうえで実施します。自己判断で検査の受診を控えたり、逆に無理に受診を求めたりせず、必ず担当医と相談のうえで進めてください。また、検診の結果はあくまでスクリーニングであり、要精密検査=がんではありません。結果に不安を感じた場合も、まず医師に相談することが大切です。
検診で「要精密検査」と言われたら?対応と流れを解説
子宮がん検診の結果が「要精密検査」と出ると、不安になる方は多いでしょう。しかし、要精密検査=がんではありません。細胞診はあくまでスクリーニング検査であり、精密検査でより詳しく調べる必要があるというサインです。
妊娠中に要精密検査と判定された場合、次のような流れで対応します(個人差・状況により異なります)。
ステップ①:コルポスコピー検査(拡大鏡観察)
コルポスコープという拡大鏡を使い、子宮頸部を詳しく観察する検査です。妊娠中でも実施可能なことが多く、異常な細胞がある場所を特定するために行います。子宮の中には触れないため、赤ちゃんへの直接的な影響はほとんどありません。酢酸を子宮頸部に塗布して観察する方法が一般的です。
ステップ②:組織診(生検)の判断
コルポスコピーで異常が疑われる場合、組織を一部採取して顕微鏡で調べる「生検(バイオプシー)」が必要になることがあります。ただし、妊娠中の生検は出血リスクがあるため、担当医が慎重に判断します。軽度の異常であれば生検はせずに産後まで経過観察となるケースもあります。
ステップ③:妊娠継続と治療方針の検討
精密検査の結果によっては、妊娠中は経過観察を続け、産後に改めて治療方針を決定することもあります。高度異形成(HSIL)以上の所見があった場合は、母体と赤ちゃん双方の安全を考慮しながら、専門医が総合的に判断します。いずれの場合も、ひとりで抱え込まず担当医と十分に相談することが重要です。

✅ 妊娠中に精密検査を受けるメリット
- 早期発見・早期対応が可能になる
- 産後の治療計画を事前に立てられる
- 定期的な経過観察で安心感が得られる
⚠ 妊娠中の精密検査で注意すること
- 生検は出血リスクがあり慎重な判断が必要
- ホルモン変化で結果が判定しにくいことがある
- 全ての治療が妊娠中に行えるわけではない
- 精神的な不安が増すこともあるためサポートが重要
妊婦健診を受ける前に知っておきたい注意点
妊娠中に子宮がん検診を含む妊婦健診を受ける際、いくつかの点を事前に把握しておくとスムーズです。
検査後の少量の出血や腹部の張りは大抵の場合は心配なし
細胞診後に少量のおりものに血が混じったり、軽い腹部の張りを感じることがあります。これは検査の刺激によるもので、多くの場合は数時間〜1日程度で落ち着きます。ただし、出血が多い・強い痛みが続く・発熱があるなどの症状が現れた場合は、すみやかに受診してください。
自治体の妊婦健診補助券を活用しよう
多くの自治体では、妊婦健診に使用できる「補助券(受診票)」が交付されており、子宮がん検診が含まれているケースがほとんどです。補助券の内容は自治体によって異なるため、母子手帳と一緒に交付される補助券の内容を必ず確認しましょう。補助券を持参することで、自己負担額を減らすことができます。
⚠ こんな症状があればすぐに産婦人科へ
妊娠中に以下の症状がある場合は、子宮がん検診の有無にかかわらず早めに産婦人科を受診してください。
・性交渉後の出血がある/・おりものに血が混じる/・原因不明の不正出血が続く/・下腹部の違和感や痛みが続く。これらは子宮頸がんや他の婦人科疾患のサインである可能性があります。
あゆみレディースクリニック高田馬場の妊婦健診・子宮がん検診について
東京都新宿区高田馬場に位置するあゆみレディースクリニック高田馬場では、妊娠初期から妊娠32週頃まで妊婦健診に対応しており、産婦人科専門医・助産師のチームで一人一人に寄り添った診察を行っています。
- 👩⚕️ 医師全員産婦人科専門医・助産師常駐:産婦人科専門医の視点から一人一人に寄り添った診察を提供。男性医師もいますが女性医師も常駐しています。
- 📋 WEB問診・WEB予約・LINE予約に対応:初診から来院前にオンラインで問診を完了でき、院内での待ち時間を短縮できます
- 🕗 金曜日は20時まで夜間診療・土曜午前も診療:仕事帰りや週末でも通いやすいスケジュールで、妊婦健診を受けていただけます
- 🚉 高田馬場駅から徒歩1分:JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線の3路線が利用可能で、新宿区内外からアクセスしやすい立地です
- 👨👩👧 パートナー同伴を歓迎・白×青の内装:産婦人科に多いピンクの内装をあえて避け、男性同伴でも入りやすい雰囲気を大切にしています

よくある質問
📝 この記事のまとめ
- ✅ 妊娠中の子宮がん検診(子宮頸がん細胞診)は妊婦健診の一環として推奨されており、適切に実施した場合の赤ちゃんへの影響はほとんどない
- ✅ 検査は妊娠初期(8〜12週頃)に行うことが一般的で、自治体の補助券が使えるケースが多い
- ✅ 「要精密検査」はがんを意味するわけではなく、スクリーニング上の判定。落ち着いて担当医に相談を
- ✅ 妊娠中は子宮頸部が変化しやすく、偽陽性が出やすいこともあるため専門医の判断が重要
- ✅ 産後も定期的な子宮がん検診を継続することが、長期的な健康管理につながる
妊婦健診・子宮がん検診のご相談は、あゆみレディースクリニック高田馬場へ
東京都新宿区高田馬場の女性医師専門クリニック。WEB・LINEから簡単にご予約いただけます。金曜20時まで診療・土曜午前診療で、お忙しい方でも通いやすい環境です。





👩⚕️ 院長 佐藤歩美 より
妊娠中の子宮がん検診について「怖い」「赤ちゃんに影響があるのでは」と不安を感じている方からのご相談を、日々の診察の中でよくいただきます。検査自体は短時間で終わり、適切に実施すれば赤ちゃんへの影響はほとんどありません。大切なのは「知らないまま過ごすより、正確に知ること」だと考えています。妊娠をきっかけに、ぜひご自身の体のことを一緒に確認させてください。「困ったときはまず、あゆみレディースクリニックに相談しよう」と思っていただけるクリニックでありたいと思っています。