
目次

「妊婦健診で血液検査をするって言われたけど、一体何を調べるの?」「つわりがひどいけど、これって赤ちゃんに影響はないの?」と不安に感じている妊婦さんは少なくありません。妊娠中の血液検査は、ママと赤ちゃんの安全を守るための大切なスクリーニングで、時期ごとに調べる項目が異なります。つわりとの関係も深く、血液検査の数値が体調変化のサインになることもあります。この記事では、妊婦健診の血液検査で何がわかるのか、つわりが体に与える影響、そして妊娠中の体調管理のポイントを、産婦人科専門医の視点からわかりやすくお伝えします。
- ✅ 妊婦健診の血液検査で調べる主な項目と時期
- ✅ つわりが血液検査の数値に与える影響
- ✅ 妊娠中の体調管理で意識したい具体的なポイント
妊婦さんのよくある不安:血液検査とつわりへの疑問
「採血が何度もあるのはなぜ?」という疑問
妊婦健診では、妊娠初期・中期・後期と複数回にわたって血液検査が行われます。「また採血するの?」と感じる方もいらっしゃいますが、これは妊娠の進行とともにママの体の状態が変化するため、それぞれの時期に合わせたチェックが必要だからです。一度検査をすれば終わりではなく、貧血の進行・感染症の有無・血糖値の変化など、時期によって確認すべきポイントが異なります。
また、妊娠中はホルモンバランスや血液量の変化が著しいため、非妊娠時と正常値の基準が異なる項目もあります。そのため「数値が少し外れていた」と告げられても過度に心配せず、担当医師にどういう意味かをしっかり確認することが大切です。
「つわりがひどいと赤ちゃんに影響する?」という心配
つわりは多くの妊婦さんが経験する症状ですが、「食べられない状態が続いて赤ちゃんは大丈夫なの?」と心配になる方は多くいます。一般的なつわりであれば、赤ちゃんへの栄養は胎盤からしっかり届けられるため、ママが一時的に食べられなくても赤ちゃんへの影響は限定的とされています(個人差があります)。
ただし、水分さえも摂れない・体重が急激に減少する・尿が出にくくなるといった場合は、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれる状態が疑われ、点滴や入院が必要になることもあります。自己判断せず、気になる症状があれば早めに産婦人科を受診することをおすすめします。
よくある誤解:「つわりがひどい方が元気な赤ちゃんが生まれる」は本当?
「つわりがきつい方がしっかりした赤ちゃんが生まれる」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。しかしこれは医学的な根拠がある説ではありません。つわりの程度には個人差があり、症状が軽くても赤ちゃんが元気に育っているケースはたくさんあります。つわりの強さで胎児の健康状態を判断することはできないため、「つわりが軽いから不安」と思う必要はありません。
妊婦健診の血液検査でわかること:時期別の検査項目
妊娠初期(〜14週頃)の血液検査
妊娠が確認されてから最初の血液検査は、最も多くの項目を一度に調べます。この時期の検査は、妊娠を安全に継続するための基礎データを集めることが目的です。
血液型の確認と、赤ちゃんへの血液型不適合がないかを調べます。Rh(-)の場合は妊娠中や分娩直後に特別な対応が必要なため、、初期に把握しておくことが重要です。不規則抗体が陽性の場合も、不規則抗体の種類によっては胎児への影響を考慮した管理が必要となります。
ママが感染していると赤ちゃんへの母子感染リスクがある感染症を早期に把握するための検査です。風疹抗体が低い場合は妊娠中に風疹に罹患しないように感染予防に気を付ける必要があり、産後に予防接種を検討します。肝炎ウイルス・HIV・HTLV-1・トキソプラズマなどの感染症のチェックは分娩方法・産後の赤ちゃんへの処置・授乳方法の検討などを事前に検討する必要があるため、妊娠初期の確認が欠かせません。
貧血(ヘモグロビン値)は妊娠中に悪化しやすいため初期から継続モニタリングします。甲状腺機能の異常はつわりの悪化や流産リスクとの関連が指摘されており、初期検査で把握することが推奨されています。血糖値は初期と中期(妊娠糖尿病スクリーニング)の2段階で確認します。
妊娠中期(24〜28週頃)の血液検査
この時期は妊娠糖尿病のスクリーニングが最大の目的です。50gのブドウ糖液を飲んで1時間後の血糖値を測定するGCT(グルコースチャレンジテスト)や、必要に応じてOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)が行われます。妊娠糖尿病は自覚症状がほぼなく、放置すると巨大児・胎児の出生後の低血糖・難産などのリスクが高まるため、スクリーニングに意味があります。また、貧血が進みすぎていないか、血小板が下がりすぎていないか、などを確認します。
妊娠後期(34〜36週頃)の血液検査
分娩直前に向けた最終確認として、貧血・血小板数・凝固機能などを確認します。また、GBS(B群溶連菌)の培養検査も併せて行われることが多く、分娩時に赤ちゃんへの感染を防ぐための抗生剤使用の判断材料になります。出産時の出血に備えた血液の状態を把握することが、この時期の検査の大きな役割です。

つわりと血液検査の数値はどう関係する?
つわりによって変化しやすい検査値
つわりがひどい時期は、食事や水分が十分に摂れないことで血液検査の数値に影響が出ることがあります。代表的なものとして以下が挙げられます(個人差があります)。
| 検査項目 | つわり時の傾向 | 注意すべき点 |
|---|---|---|
| ヘモグロビン(貧血) | 食事制限で鉄分不足になりやすい | 倦怠感・動悸の悪化につながる場合も |
| ケトン体 | 食事が摂れないと上昇しやすい | 高値が続く場合は妊娠悪阻の指標に |
| 甲状腺ホルモン(TSH/FT4) | 妊娠の影響で一過性に甲状腺機能亢進することがある | 一時的な変化が多いが継続確認が必要 |
| 電解質(Na・K) | 嘔吐・水分不足で低下することがある | 重症の場合は点滴補正が必要になることも |
妊娠悪阻:通常のつわりとの違いと受診の目安
つわりと妊娠悪阻は、同じ症状に見えて対応が異なります。一般的なつわりは妊娠5〜6週頃から始まり、12〜16週頃には自然と落ち着くことが多いとされていますが(個人差があります)、妊娠悪阻は脱水・体重減少・電解質異常をきたす医療的な状態です。
⚠ こんな症状があれば早めに受診を
- 水分を飲んでも吐いてしまい、丸1日以上何も摂れない
- 尿の量が明らかに少ない・濃い色の尿が続く
- 1〜2週間で体重が3kg以上減少している
- 立ち上がれない・ぐったりして動けない
- 目がかすむ・手足がしびれる感覚がある
hCGホルモンとつわりの関係
つわりの原因は完全には解明されていませんが、妊娠初期に急上昇するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)との関連が強いと考えられています。hCGの値が特に高くなる妊娠8〜10週頃がつわりのピークになりやすいのはこのためです(個人差があります)。多胎妊娠や胞状奇胎の場合はhCGが通常より高くなるため、つわりが特にひどくなるケースがあります。
妊娠中の体調管理:つわりを乗り越えるための実践ポイント
食事・水分摂取の工夫
つわりの時期は「食べなければ」というプレッシャーをいったん手放し、食べられるものを少量ずつ口にすることを優先しましょう。冷たいものの方が食べやすい・においがきついものがNG、炭酸水など炭酸を含む方がゲップが出て少し楽になりやすいなど、個人差が大きいため、自分のパターンを把握することが助けになります。
✅ 食事で試してみたいこと
- 一度の量を減らして回数を増やす
- 空腹を避けるため寝起きにクラッカーなどを手元に置く
- においが気になる場合は冷やして食べる
- 酸味のあるものが食べやすい場合も
- 水分は少量ずつこまめに補給する
❌ 避けた方がよいこと
- 無理して食べようとして吐くことを繰り返す
- 水分摂取をやめてしまう
- 香りの強い食べ物・調理場所に長時間いる
- 「食べなければ」と自分を追い詰める
- つわりがひどいのに受診を先延ばしにする
貧血予防:鉄分の摂り方
妊娠中は血液量が増加する一方、鉄分の需要も高まるため、貧血は妊婦さんに最もよくみられる栄養上の問題の一つです(個人差があります)。ヘモグロビン値が低いと、倦怠感・動悸・息切れなどの症状が出やすくなります。鉄分を多く含む食品(レバー・赤身の肉・ほうれん草・ひじきなど)とビタミンCを組み合わせて摂ることで吸収が高まります。食事だけで補いきれない場合は、医師の指示のもと鉄剤のサプリメントや処方薬を活用することが検討されます。
生活リズムと休息の整え方
妊娠初期は特に、体が大きな変化に対応しようとしているため疲れやすくなります。無理に「普段通り」をしようとせず、休める時間を意識的に作ることが大切です。また、つわりが強い時期は電車の揺れや閉塞感が不快に感じる方も多いため、通勤ルートや時間帯を工夫できると負担が軽減することがあります。職場への報告・マタニティマーク・母子健康手帳の活用も、周囲のサポートを得るための手段として早めに準備しておくとよいでしょう。

あゆみレディースクリニック高田馬場の妊婦健診へのこだわり
東京都新宿区高田馬場にあるあゆみレディースクリニック高田馬場は、「あしたの笑顔がもっと輝くように」をモットーに、妊娠初期から概ね32週頃まで妊婦健診に対応しています。仕事帰りでも通いやすい金曜日は夜20時まで診療(※金曜18時以降は夜間加算500円)しており、働きながら妊婦健診を受けたい方にもご利用いただきやすい環境を整えています。
- ▶医師全員が産婦人科専門医:医師全員が産婦人科専門医であり、男性医師もいますが、女性医師が常駐してます。
- ▶助産師常駐・パパママクラス開催:助産師が常駐しており、乳腺炎・卒乳指導・出産前のプライベートパパママクラスなど、お産に関するお悩みを幅広くサポートします
- ▶WEB問診・WEB/LINE予約で待ち時間を短縮:初診から来院前に問診を記入でき、院内での滞在時間を短縮。仕事帰りでも効率よく受診できます
- ▶パートナー同伴を歓迎する白×青の内装:産婦人科に多いピンク調の内装をあえて選ばず、男性も入りやすい雰囲気を実現。パートナーとの受診も歓迎しています
- ▶英語対応・オンライン診療・マイナ保険証対応:多様なライフスタイルや状況に対応できる診療体制を整えています

よくある質問(FAQ)
まとめ:妊婦健診の血液検査とつわり、大切なポイント
- ✅ 妊婦健診の血液検査は初期・中期・後期に分かれ、時期ごとに異なる項目を調べることでママと赤ちゃんの安全を守る
- ✅ つわりがひどい場合は貧血・ケトン体・電解質などの血液数値に影響が出ることがあり、妊娠悪阻との区別が大切
- ✅ 水分が摂れない・体重が著しく減る・ぐったりするなどの症状がある場合は早めに産婦人科を受診することを検討する
- ✅ つわりの強さで赤ちゃんの状態を判断することはできないため、症状が軽くても不安はそのままにしないことが大切
- ✅ 妊娠中の体調変化や血液検査の結果への疑問は、気軽に産婦人科のかかりつけ医に相談することが安心への近道
妊婦健診・つわりのご相談は高田馬場へ
新宿区高田馬場で、妊娠初期から産後まで女性医師・助産師チームが寄り添います。WEB・LINE予約で待ち時間も短縮。金曜は夜20時まで診療しているので、仕事帰りにもご来院いただけます。
※本記事は医療・健康に関する一般的な情報提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。症状や体調に不安がある場合は、医療機関を受診してください。掲載内容は執筆時点の情報をもとにしており、個人差があります。





👩⚕️ 院長 佐藤歩美(さとう あゆみ)より
妊娠中は体の変化が大きく、「これは普通のこと?それとも受診すべき?」と判断に迷う場面が多いと思います。血液検査の数値も、妊娠中は評価の基準が変わることがあるため、数値を見て不安になったらそのままにせず、気軽に相談してください。つわりの症状についても、「このくらいは我慢するもの」と思わず、水分が摂れない・体重が減っているといった状況では早めにご来院いただければと思います。東京都新宿区高田馬場という好立地で、仕事帰りでも通いやすい診療時間を設けていますので、「困ったらまず相談できるかかりつけ」として活用していただけるとうれしいです。