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HPVワクチンとは何か?子宮頸がんとの関係は?
HPVワクチンは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」への感染を予防し、子宮頸がんなどの発症リスクを大幅に下げるワクチンです。
子宮頸がんの原因の約99%はHPV感染とされており、性交渉によって感染します。Know VPD!(2024年)によると、スウェーデンの報告では17歳未満でのワクチン接種で子宮頸がんリスクが88%減少、英国では12〜13歳での接種で87%減少したとされています。
日本では現在、以下の3種類のHPVワクチンが使用されています。
- 9価ワクチン「シルガード9」…約90%の子宮頸がんを予防。2023年4月から定期接種に追加。
- 4価ワクチン「ガーダシル」…約70%の子宮頸がん・肛門がん・尖圭コンジローマを予防。
- 2価ワクチン「サーバリックス」…約70%の子宮頸がんを予防。女子のみ対象。
ワクチンの効果は20年程度持続するとされており、初めての性交渉の前に接種することで最大の予防効果が得られます。
HPVワクチンの対象年齢が気になる方へ
東京都新宿区高田馬場でHPVワクチンについて相談したい方は、あゆみレディースクリニック高田馬場へご相談ください。
年齢や接種歴に応じたご案内を行っています。

HPVワクチンの定期接種は何歳まで無料で受けられるのか?
定期接種の対象は、小学校6年生〜高校1年生相当(12歳〜16歳になる年度)の女子で、公費(原則自己負担なし)で接種できます。
もっと知りたい子宮頸がん予防(2026年4月更新)によると、定期接種の最終年度にあたる高校1年相当の方が公費で接種できるのは2027年3月31日までです。標準的な接種時期は中学1年生とされています。
接種回数は年齢によって異なります。
- 15歳未満で初回接種を開始した場合(シルガード9)…2回接種(初回から6か月後に2回目)
- 15歳以上で初回接種を開始した場合(シルガード9)…3回接種(初回→2か月後→6か月後)
- ガーダシル・サーバリックス…原則3回接種
接種スケジュールは標準的に6か月間で完了します。受験や部活動が忙しくなる前に、小学6年生〜中学1年生のうちに接種を始めることが推奨されています。
キャッチアップ接種とは何か?2026年時点の状況は?
「キャッチアップ接種」とは、定期接種の機会を逃した女性が公費で接種できる特別な制度です。ただし、2026年3月31日をもって公費によるキャッチアップ接種は終了しました。
厚生労働省(2025年)の発表によると、対象は1997年4月2日〜2009年4月1日生まれの女性(令和7年度に17〜28歳になる方)で、2022年4月〜2025年3月31日までに1回以上接種した方は、2回目・3回目を2026年3月31日まで公費で接種できる経過措置が設けられていましたが、2026年3月31日で公費による接種が終了しました。定期接種の年齢を過ぎたら接種する意味はないのか?

定期接種の年齢(高校1年相当)を過ぎても、HPVワクチンを接種する意義はあります。ただし、年齢が若いほど効果が高く、初めての性交渉の前に接種するのが最も有効です。
米国CDCは26歳までのHPVワクチン接種を推奨しています。27歳以上については、個々のライフスタイルによって接種意義を個別に判断することとなります。
「すでに性交渉の経験があるから意味がない」と思う方もいますが、それは誤解です。HPVには複数の型が存在するため、すでに感染しているとしても、ワクチンがカバーするすべての型にすでに感染している可能性は非常に低いとされています。ワクチン接種後の新たなHPV感染を防ぐ効果が期待できます。
高校2年生以上で自費接種する場合の費用目安は以下のとおりです。
- 4価ワクチン(ガーダシル)…3回合計で約5万円(ただし、2026年12月末で販売終了が決定しています)
- 9価ワクチン(シルガード9)…3回合計で約10万円
自費接種の費用は医療機関によって異なります。事前に受診先に確認することをおすすめします。
9価ワクチン「シルガード9」が定期接種になったことで何が変わったのか?
2023年4月から、9価ワクチン「シルガード9」が定期接種に追加されました。これにより、定期接種で予防できる子宮頸がんの割合が約70%から約90%へ大幅に向上しました。
シルガード9が予防するHPVの型は16・18・31・33・45・52・58型(がんの原因となる高リスク型)と6・11型(尖圭コンジローマの原因)の計9種類です。従来の2価・4価ワクチンが16・18型のみをカバーしていたのに対し、大幅に対象が広がりました。
接種スケジュールの変更点は以下のとおりです。
- 15歳未満で初回接種を開始…2回接種(初回+6か月後)で完了可能
- 15歳以上で初回接種を開始…3回接種(初回→2か月後→6か月後)が必要
15歳未満で接種を始めれば、2回接種で完了でき、通院回数はもちろんですが、注射による痛みの回数を減らせます。2回接種で十分免疫がつけられることが確認されています。これが「できるだけ早く、15歳になる前に接種を始めましょう」と推奨される理由です。
なお、日本小児科学会(2026年4月改訂)は予防接種キャッチアップスケジュールを定期的に更新しており、HPVワクチンについても最新の推奨内容が反映されています。
ワクチン接種だけで子宮頸がんは完全に予防できるのか?
ワクチン接種だけですべての子宮頸がんを予防することはできません。ワクチン接種と定期的な子宮頸がん検診の両方が重要です。
9価ワクチンでも約90%の子宮頸がんを予防できますが、残りの約10%はワクチンがカバーしない型のHPVによるものです。また、すでにHPVに感染している場合、ワクチンはその感染を治療する効果はありません。
子宮頸がん検診の受診率は、欧米では約80%であるのに対し、日本では約40%と非常に低い水準にとどまっています(Know VPD!調べ)。性交渉の経験がある方は、20歳を過ぎたらワクチン接種の有無にかかわらず、2年に1回の子宮頸がん検診を受けることが強く推奨されます。
検診では子宮頸部の細胞を採取し、異常な細胞変化(前がん病変)を早期に発見できます。早期発見・早期治療により、子宮頸がんによる死亡リスクを大幅に下げることができます。
キャッチアップ接種について確認したい方へ
制度の対象になるかどうかや接種時期について不安がある方は、事前に医療機関へ相談することをおすすめします。
最新の接種情報を踏まえてご説明しています。

HPVワクチンの副反応・安全性はどうなっているのか?
HPVワクチンの副反応として最も多いのは、接種部位の痛み・腫れ・赤みです。数日間にわたる筋肉痛が起こることもあります。
また、このワクチンは血管迷走神経反射(失神)を引き起こすことがあります。これはワクチン自体の成分によるものではなく、緊張や痛みへの不安が原因です。接種後は15〜30分程度、医療機関で安静にしてから帰宅することが推奨されています。
過去に積極的勧奨が差し控えられていた時期がありましたが、現在は厚生労働省が安全性を継続的に確認した上で、定期接種として積極的な勧奨を再開しています。接種に不安や疑問がある場合は、婦人科・産婦人科・小児科・内科の医師に相談することをおすすめします。
厚生労働省が設置する「感染症・予防接種相談窓口」(電話:0120-995-956)でも、HPVワクチンに関する相談を受け付けています。
高田馬場・新宿区周辺でHPVワクチン・子宮頸がん検診を受けるには?
HPVワクチン接種や子宮頸がん検診は、婦人科・産婦人科で受けることができます。ワクチン接種と検診を同じクリニックで相談できると、より安心です。
高田馬場・早稲田・新宿区周辺にお住まいの方は、あゆみレディースクリニック高田馬場をご利用いただけます。高田馬場駅早稲田口から徒歩1分の好立地で、初診からWEB予約・LINE予約に対応しています。
当クリニックでは、初診時から必要な方には子宮頸がん検診を実施しており、HPVワクチンに関するご相談にも対応しています。女性医師と助産師が常駐しており、思春期の月経トラブルから更年期障害まで幅広く診療しています。
「ワクチンを受けるべきか迷っている」「検診を受けたことがない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。複数の選択肢をご提示しながら、患者さまと一緒に最適な予防プランを考えます。
よくある質問
HPVワクチンのキャッチアップ接種はもう受けられないのですか?
公費(無料)によるキャッチアップ接種は2026年3月31日で終了しました。ただし、高校2年生以上の方は自費での接種が引き続き可能です。費用は9価ワクチンで3回合計約10万円(当院では1回28000円)が目安です。
HPVワクチンは何歳まで接種する意味がありますか?
CDCは26歳までの接種を推奨しています。27歳以上については、個々のライフスタイルや新たなパートナーができる可能性などを考慮して、医師と相談の上で判断します。
すでに性交渉の経験がある場合、ワクチンを接種しても意味はありますか?
意味はあります。HPVには複数の型があり、すべての型にすでに感染している可能性は非常に低いため、ワクチン接種後の新たな感染を防ぐ効果が期待できます。
9価ワクチン(シルガード9)と4価ワクチン(ガーダシル)の違いは何ですか?
予防できるHPVの型の数が異なります。シルガード9は9種類の型をカバーし約90%の子宮頸がんを予防、ガーダシルは4種類の型をカバーし約70%を予防します。現在は定期接種でシルガード9が推奨されています。
ワクチンを接種したら子宮頸がん検診は不要ですか?
いいえ、検診は引き続き必要です。ワクチンはすべての型のHPVを予防するわけではないため、性交渉の経験がある方は20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がん検診を受けることが推奨されます。
男性もHPVワクチンを接種できますか?
はい、男性も接種可能です(自費)。シルガード9とガーダシルは9歳以上の男女が対象です。男性の場合も初めての性交渉の前が最も有効で、26歳までの接種が推奨されます。
15歳未満と15歳以上で接種回数が違うのはなぜですか?
年齢が若いほど免疫反応が強く、少ない回数で十分な抗体が得られるためです。シルガード9の場合、15歳未満の初回接種なら2回で完了できますが、15歳以上では3回接種が必要です。
HPVワクチンの接種後に失神することがあると聞きましたが、大丈夫ですか?
血管迷走神経反射(失神)が起こることがありますが、ワクチン成分が原因ではありません。緊張や不安が引き金となるため、接種後は15〜30分程度、医療機関で安静にしてから帰宅することで対応できます。
定期接種の対象年齢を過ぎた場合、自費接種はどこで受けられますか?
婦人科・産婦人科・小児科・内科などで受けられます。事前に電話やWEB予約で「HPVワクチンの自費接種を希望」と伝えると、スムーズに対応してもらえます。
接種したワクチンと異なる種類のワクチンに途中で変更できますか?
原則として、初回に接種したワクチンと同じ種類で接種を完了する必要があります。途中で種類を変更することは推奨されていません。不明な点は接種を受けた医療機関に確認してください。
結論
HPVワクチンの定期接種対象は12〜16歳の女子で、公費によるキャッチアップ接種は2026年3月31日に終了しました。しかし、高校2年生以上でも自費で接種でき、CDCは26歳までの接種を推奨しています。ワクチン接種だけでなく、20歳以降は2年に1回の子宮頸がん検診も並行して受けることが、最も確実な予防策です。接種を迷っている方は、まず婦人科・産婦人科に相談することをおすすめします。
HPVワクチン接種を検討している方へ
接種対象年齢や接種スケジュールについて相談したい方は、あゆみレディースクリニック高田馬場へご相談ください。
将来の健康を考えた予防医療の選択をサポートしています。
著者情報

院長 佐藤 歩美
経歴
横浜市立大学医学部 卒業
NTT東日本関東病院 勤務
総合母子保健センター 愛育病院 勤務
ベビースマイルレディースクリニック有明 副院長などを経て 現在に至る
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(母体・胎児)専門医
女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
日本性感染症学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本医師会 認定産業医




