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おりものの量が増えたり、色やにおいが気になったりした経験はありませんか?
おりものは女性の体を守る大切な分泌液ですが、その変化は体からの重要なサインでもあります。特に性感染症(性病)に感染している場合、おりものに特徴的な変化が現れることが多いのです。
今回は産婦人科医の視点から、おりものが多い時に疑うべき性病のサインについて詳しく解説します。
早期発見と適切な治療のために、ぜひ最後までお読みください。
おりものとは?その役割と正常な状態
おりものは、子宮粘膜や子宮頚管、膣壁などからの分泌物が混ざり合った液体です。
一見すると厄介なものに思えるかもしれませんが、実は女性の体を守る重要な役割を担っています。
おりものの2つの大切な役割
おりものには主に2つの役割があります。
1つ目は**自浄作用**です。おりものが膣に潤いを与えて弱酸性を保つことで、雑菌の繁殖を防ぎます。おりものが排出される際に雑菌を押し流す働きもあり、体を守るバリアのような存在なのです。
2つ目は**受精の手助け**です。排卵期になるとおりものの粘り気が強くなり、精子を包み込んで卵子まで到達しやすくします。妊娠を望む方にとって、おりものは大切なサポーターといえるでしょう。

正常なおりものの特徴
正常なおりものは、ほぼ無色透明から少し白味を帯びた色をしています。
乾燥するとほんのり黄色くなることもありますが、これは心配ありません。わずかに酸っぱいにおいがするのは、弱酸性を保っている証拠です。
量には個人差がありますが、パンティライナーで収まる程度なら一般的な範囲内といえます。生理周期によって量や粘度が変化するのも正常な反応です。
おりものが多くなる4つの原因
おりものの量が増える原因は、必ずしも性病だけではありません。
まずは生理的な変化との違いを理解しておくことが大切です。
①生理周期による変化
生理周期に合わせて、おりものの量は自然に変化します。
排卵期に向けて徐々に増えていき、排卵後は粘り気のある白濁したおりものに変わります。生理後2〜3日はおりものの量が少ない時期です。これは女性ホルモンの分泌が変化している証拠で、正常な体の反応といえます。
②年齢による変化
おりものの量は、女性ホルモン(エストロゲン)の量と深く関わっています。
20〜30代ではおりものの量が多くなり、40代以降は徐々に減少していきます。10代ではエストロゲンの分泌が不安定なため、生理周期もおりものの量も定まりません。閉経後はおりものがほとんど出なくなるのが一般的です。
③妊娠初期
妊娠すると、おりものの量が再び増え始めます。
着床時には少量の血液が混じることもあり、鼻がツンとするにおいや白っぽくサラサラしたおりものになることがあります。これは妊娠初期の正常な変化です。
④性病(性感染症)
性病に感染している場合も、おりものの量が増えることが多いです。
ただし、量だけでなく色やにおい、その他の症状も伴うことが特徴です。次の章で詳しく解説します。
性病の疑いがあるおりものの変化
性病に感染すると、おりものに特徴的な変化が現れます。
以下のような症状が見られたら、早めの検査をおすすめします。

おりものの性状に注目
性病の特徴として、症状が自然治癒しないため、以下の変化が継続することが多いです。
- 黄緑色のおりもの・・・淋菌感染症やトリコモナス症の可能性
- 白いヨーグルト状のおりもの・・・カンジダ症の特徴
- 灰色で臭いのあるおりもの・・・細菌性腟症の可能性
- 泡状で悪臭の強いおりもの・・・トリコモナス症の典型的な症状
これらの症状も伴う場合は要注意
おりものの変化に加えて、以下の症状がある場合は性病の可能性が高くなります。
- 外陰部の激しいかゆみ
- 性器周辺の痛みや腫れ
- 排尿時の痛みや違和感
- 不正出血(おりものの色がピンクっぽい)
- 下腹部痛や性交時の痛み
特に発熱と下腹部痛が同時に起こる場合は、骨盤内炎症性疾患(PID)を疑う必要があります。これは不妊の原因となる可能性があるため、早急な受診が必要です。
おりものの異常が見られる主な性病
おりものの変化を引き起こす代表的な性病について、それぞれの特徴を解説します。
クラミジア感染症
クラミジアは日本では最も感染者数が多い性病です。
症状を感じない場合も多く注意が必要ですが、おりものの増加や不正出血などの症状が出ることもあります。一回の性行為における感染の可能性は30〜50%以上ともいわれており、放っておくと女性は不妊症の原因になります。
淋菌感染症(淋病)
淋菌感染症もクラミジアと同様、症状を感じないことがある性病です。
おりものが増加したり不正出血したりすることもあります。黄緑色の膿のようなおりものが特徴的で、放置すると骨盤内炎症性疾患を引き起こす可能性があります。
腟トリコモナス症
トリコモナス症は、泡状で悪臭の強いおりものが特徴です。
外陰部の激しいかゆみを伴うことも多く、日常生活に支障をきたすこともあります。性行為以外でも感染する可能性があるため、注意が必要です。
性器カンジダ症
カンジダ症は、白いヨーグルト状のおりものが特徴です。
外陰部の激しいかゆみを伴うことが多く、酒粕状やカッテージチーズ状のボロボロとしたおりものが出ることもあります。疲労やストレス、抗生物質の使用などで発症しやすくなります。
細菌性腟症
細菌性腟症は、おりものが灰色になったり、魚のような臭いがしたりします。
量は比較的少なめですが、不快な臭いが特徴的です。膣内の善玉菌が減少することで発症します。
おりものが多いと感じた時の対処法
おりものの異常に気づいたら、どうすればよいのでしょうか?
適切な対処法を知っておくことが大切です。
検査方法
性病の検査は、婦人科や性感染症内科で受けることができます。
腟分泌液を採取する検査が一般的で、痛みはほとんどありません。クラミジアや淋菌は迅速検査が可能ですが、迅速検査は通常検査と比較して検査精度が少し低くなることに注意が必要です。
あゆみレディースクリニック高田馬場では、通常は検査会社で行う検査を行いますが、必要時は迅速検査も対応しております。高田馬場駅から徒歩1分という便利な立地で、WEB予約やLINE予約にも対応しています。
女性医師が常駐しているため、デリケートな悩みも相談しやすい環境が整っています。
治療方法
性病の治療は、原因となる病原体によって異なります。
クラミジアや淋菌などの細菌性の感染症は、抗生物質の内服や点滴で治療します。トリコモナス症も内服薬で治療可能です。カンジダ症は抗真菌薬の膣錠や外用薬を使用します。
治療期間は通常1〜2週間程度ですが、完治が確認できるまでしっかりと治療を続けること、性交渉をstopしておくこと、パートナーと一緒に治療することが重要です。
予防・対策法
性病の予防には、コンドームの使用が最も効果的です。
ただし、コンドームでも完全には防げない性病もあるため、パートナーとの信頼関係を築くことも大切です。定期的な検査を受けることで、早期発見・早期治療につながります。
また、免疫力を高めるために、規則正しい生活や十分な睡眠、バランスの良い食事を心がけることも予防につながります。
おりものが多くても清潔に保つケア方法
おりものが多い時期でも、適切なケアで快適に過ごすことができます。

パンティライナーを使う
パンティライナー(おりものシート)を使うことで、下着を清潔に保つことができます。
ただし、長時間同じものを使い続けると蒸れて雑菌が繁殖しやすくなるため、こまめに交換することが大切です。2〜3時間ごとの交換を目安にしましょう。また特におりものが多くない時期はパンティーライナーなどは使用せず過ごしましょう。
ウェットシートやムースで拭きとる
外出先でおりものが気になる時は、デリケートゾーン用のウェットシートでふき取るなどの方法があります。
ただし、拭きすぎると必要な常在菌まで洗い流してしまうため、適度な使用を心がけましょう。ウォシュレットの頻回な使用は必要な常在菌まで洗い流してしまう、乾燥から皮膚のバリア機能が低下しむしろ感染に弱くなる、乾燥から痒みが出てくる、などの弊害もあるため、適度な使用を心がけましょう。
低刺激性の石鹸やデリケートゾーン専用のケア用品を使う
デリケートゾーンは弱酸性に保たれているため、アルカリ性の石鹸で洗いすぎると自浄作用が低下します。
デリケートゾーン専用の弱酸性ソープを使い、やさしく洗うことが大切です。洗いすぎは逆効果なので、1日1回程度にとどめましょう。
まとめ
おりものの変化は、体からの大切なサインです。
量が増えただけでなく、色やにおい、その他の症状が伴う場合は、性病の可能性を考える必要があります。特に黄緑色や白いヨーグルト状、泡状で悪臭の強いおりものは要注意です。
性病は早期発見・早期治療が重要です。
「これくらい大丈夫」と我慢せず、少しでも気になることがあれば、婦人科を受診することをおすすめします。あゆみレディースクリニック高田馬場では、女性医師による丁寧な診療と迅速な検査が可能です。
おりものの悩みは一人で抱え込まず、専門医に相談してください。
あなたの健康を守るために、今できることから始めましょう。
あゆみレディースクリニック高田馬場では、WEB予約・LINE予約に対応しています。高田馬場駅から徒歩1分の便利な立地で、女性医師による安心の診療を提供しています。おりものの変化や性感染症の検査について、お気軽にご相談ください。
著者情報

院長 佐藤 歩美
経歴
横浜市立大学医学部 卒業
NTT東日本関東病院 勤務
総合母子保健センター 愛育病院 勤務
ベビースマイルレディースクリニック有明 副院長などを経て 現在に至る
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(母体・胎児)専門医
女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
日本性感染症学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本医師会 認定産業医




