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月経困難症とは・・・つらい生理痛を我慢していませんか?
「毎月の生理痛で寝込んでしまう」「痛み止めが手放せない」・・・そんな症状に悩まされている方は、もしかすると**月経困難症**かもしれません。
月経困難症とは、月経時に下腹部痛や腰痛、頭痛などの月経痛や、吐き気、疲労感、下痢、憂鬱感、イライラなど心身の不調が現れる病的症状のことです。日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合、適切な治療が必要です。
「生理痛は我慢するもの」と思い込んでいる方も多いのですが、実は月経困難症には効果的な治療法があります。その中でも、**低用量ピル**は保険適用で治療できる選択肢の一つとして注目されています。
本記事では、月経困難症の治療に保険適用されるピルの選び方や効果について、産婦人科医の視点から詳しく解説します。あなたの症状に合った最適なピルを見つけ、毎月のつらさから解放されるきっかけになれば幸いです。
月経困難症に保険適用されるピルの種類
月経困難症の治療に使用されるピルには、大きく分けて「OC(低用量経口避妊薬)」と「LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)」の2種類があります。
この2つの違いは何でしょうか?
**OC**は、妊娠阻止や避妊、生理痛の軽減、生理不順のコントロールなどを目的とした保険適用外の低用量ピルです。一方、**LEP**は、月経困難症や子宮内膜症の治療薬として使われる保険適用の低用量ピルです。

保険適用になるLEPの代表的な種類
月経困難症の治療として保険適用になる主なLEPには、以下のような種類があります。
- **ルナベルLD・ルナベルULD**(第一世代・ノルエチステロン)
- **フリウェルLD・フリウェルULD**(第一世代・ノルエチステロン)
- **ジェミーナ**(第二世代・レボノルゲストレル)
- **ヤーズ・ヤーズフレックス**(第四世代・ドロスピレノン)
- **ドロエチ**(ヤーズのジェネリック・第四世代・ドロスピレノン)
- **アリッサ**(天然型のエステトロール+ドロスピレノン 第四世代を配合したもの)
これらのピルは、医師が月経困難症や子宮内膜症の治療が必要と判断した場合に保険適用となります。症状の程度や体質に合わせて、最適なものを選択することが重要です。
ピルの「世代」と「相性」とは?
ピルは、含まれる黄体ホルモン(プロゲステロン)の種類によって**第一世代から第四世代**に分類されます。世代が新しくなるにつれて、特定の副作用を軽減するなどの改良が加えられていますが、「新しい世代ほど優れている」というわけではありません。
それぞれに得意分野があるのです。
また、ピルには「1相性」と「3相性」という分類もあります。1相性は全ての期間でプロゲステロンの含有量が同じで、3相性は段階的に量が調整されています。1相性はホルモン量が一定なため生理日をコントロールすることに優れており、3相性は体内の自然なホルモン動態に近く、不正出血が起きにくいといわれています。
世代別ピルの特徴と効果
それぞれの世代のピルには、どのような特徴があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

第一世代(ノルエチステロン)の特徴
第一世代ピルは、一番最初に製造承認されたピルで、ノルエチステロンと呼ばれる黄体ホルモンを使用しています。
**経血量を減らす効果に特に優れ**、月経困難症のコントロールにも優れていることが特徴です。代表的なピルには、ルナベルLD・フリウェルLD・シンフェーズなどがあります。
生理痛が重い方で保険適応でピルを使用したい方、ジェネリックのあるピルを使用し毎月の費用を抑えたい方におすすめです。ただし、他の世代に比べて、使用中に吐き気や頭痛の副作用が出ることが少し多いという点には注意が必要です。
第二世代(レボノルゲストレル)の特徴
第二世代ピルは、レボノルゲストレルという黄体ホルモンを使用しています。第一世代の低用量ピルよりも自然なホルモンバランスを実現し、副作用が少ないことに期待できます。
代表的なピルには、ジェミーナ、トリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユなどがあります。
不正出血が起こりにくい、頭痛が起こりにくいことが期待できます。またアンドロゲン作用でニキビなどへの効果は弱い可能性がありますが、逆にリビドー(性欲)低下は起こりにくいことが期待されます。
第三世代(デソゲストレル)の特徴
第三世代ピルは、デソゲストレルという黄体ホルモンを使用しています。
**男性ホルモンの抑制効果が強く**、ニキビや多毛症の改善に効果に期待できます。代表的なピルには、マーベロン、ファボワールなどがあります。
肌荒れやニキビに悩んでいる方で、月経困難症治療や避妊も同時に行いたい方も同時に行いたい方に適しています。
第四世代(ドロスピレノン)の特徴
第四世代ピルは、ドロスピレノンという黄体ホルモンを使用しています。利尿ホルモンが主要ホルモンとして配合されており、**むくみなどの副作用が少ない**ことに期待できます。
代表的なピルには、ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ(ヤーズのジェネリック)、アリッサなどがあります。
月経困難症やPMS(月経前症候群)の症状が強い方、浮腫みやすい体質のかた、ニキビが気になる方に適しています。
ピル以外の治療選択肢・・・漢方やミレーナも効果的
月経困難症の治療には、ピル以外にも効果的な選択肢があります。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った治療法を選びましょう。
漢方薬による治療
漢方は、体質そのものにアプローチしていくため、月経時の症状だけでなく、冷えやのぼせ、PMS(月経前症候群)など、さまざまな症状に効果が期待できます。
漢方医学において、月経痛や月経困難症は、血が滞ることで血行不良になる(瘀血)ことが原因と考えられています。そのため、瘀血に効果的な漢方を服用することで、生理期の痛みやPMSの緩和・改善が期待できます。
代表的な漢方薬には、加味逍遙散や当帰芍薬散などがあります。漢方は長期的に飲むことで体質を整えていくので、鎮痛剤のような対処療法ではありません。

ミレーナ(IUS)による治療
ミレーナは、子宮内に装着するT字型のデバイスで、レボノルゲストレルという合成黄体ホルモンを徐放する子宮内システムです。
ミレーナから放出されるレボノルゲストレルは、子宮内膜の増殖を抑制し、子宮内膜を菲薄化させます。これにより、**月経量が減少し、月経痛も軽減され、高い避妊効果を示します。多くの使用者で、装着後1年以内に月経量が80%以上減少したという報告があります。

また、子宮内膜症や子宮腺筋症に伴う疼痛の軽減効果も認められており、これらの疾患の保存的治療としても使用されています。一度装着すると5年間継続が可能です。5年経過した後、閉経前であれば入れ替えすることができます。
月経困難症があるが、毎日の薬の内服が困難な方にも選ばれています。
月経困難症や過多月経の場合は保険適用になる場合がありますが、避妊目的では保険適用にならない点に注意が必要です。自費でのミレーナ挿入の費用はクリニックによって異なりますので確認してみてください。
黄体ホルモン製剤による治療
低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンの合剤です。ピルの副作用として有名な血栓症は、エストロゲン作用によるもので、エストロゲンを除いた黄体ホルモン(プロゲステロン)だけを利用したピルはミニピルとも呼ばれています。エストロゲンを含有していないため、血栓症のリスクを上昇させないというメリットがあります。
生理痛の治療として使用される黄体ホルモン製剤で最も一般的なものはジェノゲスト(ディナゲスト)であり、保険適用となります。また避妊を目的としたミニピルであるスリンダ(自費・保険適用外)も2025年6月に日本で初めて承認され広く使われるようになってきました。
あゆみレディースクリニック高田馬場での治療
月経困難症の治療を考えている方にとって、通いやすく相談しやすいクリニックを選ぶことは重要です。
あゆみレディースクリニック高田馬場は、高田馬場駅から徒歩1分の便利な立地で、予約制によるWEB予約やLINE予約に対応しています。忙しい中でも通いやすい環境が整っています。
女性医師による診療
女性医師が常駐しているため、患者はより相談しやすいと感じるでしょう。
「生理痛がつらいけど、病院に行くほどかな・・・」「おりもののにおいが気になる。でも相談しにくい・・・」そんな”ちょっとした不安”こそ、婦人科に相談していいサインです。
クリニックは、生理痛や生理不順、PMS、PMDD、不正出血やおりものの変化といった婦人科の一般的な問題を幅広く扱っています。
多様な治療選択肢の提供
特に月経困難症では、鎮痛薬だけでなく低用量ピルや漢方など多様な治療選択肢を提供しており、患者が毎月の生理で苦しむ状況を改善する手助けをしています。
症状に合わせて、鎮痛薬、低用量ピル、黄体ホルモン薬、漢方、TENS(経皮的電気神経刺激)を利用したデバイスの使用など、いくつかの選択肢から無理のない方法を一緒に考えていく流れなので、「毎月寝込むのが当たり前」を変えるきっかけになります。
詳細な検査説明の提供
検査においては、まずは内診・超音波検査で内膜症など生理痛の原因となる異常所見がないか確認し治療選択を行うようにしています。
また、過多月経の問題に対しては、ミレーナ(IUS)を含む様々な治療法を考慮し、患者のニーズに合ったケアを提供します。性感染症の迅速検査も可能で、速やかな結果提供が行われています。
さらに、患者の症状に応じて適切な医療機関への紹介も行っており、まずは症状をメモして相談することを推奨しています。
まとめ・・・自分に合った治療法を見つけましょう
月経困難症は、適切な治療によって症状を大きく改善できる疾患です。
「生理痛は我慢するもの」という考えを手放し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。
保険適用されるピルには、第一世代から第四世代まで様々な種類があり、それぞれに特徴があります。経血量を減らす効果に優れた第一世代、頭痛やリビドー低下が起こりにくいと言われる第二世代、ニキビ改善に効果的な第三世代、むくみが少ない第四世代、天然型のエストロゲンを使ったもの・・・症状や体質に合わせて選択できます。
また、ピル以外にも漢方薬やミレーナ、黄体ホルモン製剤など、多様な治療選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、医師と相談しながら最適な治療法を選びましょう。
あゆみレディースクリニック高田馬場では、女性医師による診療で、患者一人ひとりの症状に合わせた治療を提案しています。高田馬場駅から徒歩1分の便利な立地で、WEB予約・LINE予約にも対応しているため、忙しい方でも通いやすい環境です。
「毎月のつらさ」を我慢せず、まずは気軽に相談してみませんか?
あなたに合った治療法が、きっと見つかるはずです。
著者情報

院長 佐藤 歩美
経歴
横浜市立大学医学部 卒業
NTT東日本関東病院 勤務
総合母子保健センター 愛育病院 勤務
ベビースマイルレディースクリニック有明 副院長などを経て 現在に至る
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(母体・胎児)専門医
女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
日本性感染症学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本医師会 認定産業医




